U-VOICE Vol.15 HABIT leather 桑原康介

今回のU-VOICEのお客様は”キヌガサシェード”を作っている『HABIT leather（ハビット・レザー）』の代表である桑原康介氏だ。キヌガサシェードは主にUSB充電式LEDミニランタン『Goal Zero』のLight House microシリーズ用のシェードとして作られ、E26サイズの電球にも装着し使用することができ、その網目がライトの灯を屈折させ淡く幻想的な光と変えてくれるU-BASE西湘でも販売している大人気商品だ。

幼少期には物作りよりも破壊や分解などの方が好きだったという桑原氏の工房内には作業道具と共にミュージシャンのポスターやレコード、ラジコンなど桑原氏の趣味のものと思われるものが飾れていてこだわりが伺える。またインタビュー中にもご子息が現れたり、近所の子供が話しかけてくるなど、アットホームな環境も彼の人柄を現している。そして6月24,25日にU-BASE西湘にて開催されるU-BASE西湘の2周年記念イベントのひとつである『レザークラフト・ワークショップ』においてもご協力いただいている。今回はオールハンドメイドのレザークラフトブランド『HABIT leather』の代表・桑原康介氏に湘南の旧東海道沿いの住宅地にある同ブランドの工房にてお話を伺った。

U-BASE編集部（以降、UB）: 『HABIT leather』を始めた経緯を教えてください。
桑原康介（以降、K）：もともとはアウトドア製品ではなく、趣味でお財布を作ったことから始まりました。11年前に息子が生まれるタイミングで奥さんが里帰りして久々の一人暮らしになったのですが、いざ一人になったら何をしたらいいのか分からなくて（笑）。何か始めてみようと思い、財布が欲しかったのでネットで調べながらレザークラフトをやってみたのが始まりです。里帰りの期間は1ヶ月ぐらいだったんですけど、小さいコインケースを2,3個作れました。今見ると出来は酷かったんですけどね（笑）。でもこういった手作業が好きですぐにハマりました。最初はわからないままネットを調べて作っていただけだったのですが、自分の高校の同級生にガラス職人をやっている友達がいて、どうせ作ったのだから一緒にイベントで展示しよう、と誘ってくれたことが大きかったです。何かを作って出展先でいろんなヒトとコミュニケーションを取れるのがすごく楽しくて続けられたと思います。

キヌガサシェード

UB：”キヌガサシェード”が生まれたきっかけは？
K：2016年ぐらいからOD缶（アウトドアユースを目的としたガス缶）のカバーとかを作っていてアウトドア業界で仕事をさせてもらうようになってどんどん人脈というか仲間が増えていきました。当時はまだガレージブランドという言葉が無く、今で言うM16（16の人気ガレージブランドで結成された集団の名称）の方たちや周辺のブランドたちと一緒に取り扱ってもらったり、『sotosotodays』さんとかも取り扱いが大きくなっていき始めたときでした。そこからキヌガサシェードが生まれるまでには5年ぐらいかかっているんですけど。ある時『Goal Zero』の代理店の方であるアスクさんと仲良くなるきっかけがあって「ゴールゼロのシェードがいくつか出てきてるんだけどみんな一緒だから、何か違うの作ってよ」って（笑）、言われて作ったのがきっかけですね。

UB：デザイン自体はすぐに思いつきましたか？
K：結構すぐでしたね（笑）。趣味で多肉植物を持っていたのですが、そういった吊るしてある植物の鉢から着想を得て作りました。

UB：アメリカのブランドですが、日本以外での販売や本国での反応はいかがですか？
K：台湾には取扱店があります。代理店の方を通してアメリカの本社には持って行ってもらいました。みんな「凄い」なと言ってくれて良い反応だったと写真も送られてきました。そういう反応は本当に嬉しいですね。

UB：非常に繊細な作りに見えますが、制作の中で難しい点、気を使うことはありますか？
K：特に無いっす（笑）。

UB：もともとアウトドアやキャンプはお好きでしたか？
K：2016年にアウトドアの業界の方たちとお仕事させてもらう一年ぐらい前にご近所のパパ友から誘われて家族同士でキャンプに行ったことが最初ですぐにハマりましたね。今でももちろんアウトドアは家族全員好きで、子供は山中湖のみさきキャンプ場が特に好きですね。sotosotodaysのメンバーとも何度か一緒に行ったことあります。

UB：アウトドアにおけるクルマへのこだわりなどありますか？
K：欲しいクルマはまだ手に入ってないんですけど、こだわりはありますね。実はハイラックスが欲しくて、日崎工業というアルミ加工の得意な川崎の会社があって、そこにこんな感じでやったら売れるから是非作りましょうってキャノピーを僕がデザインしました。4月に行われた大磯での『sotosotodays market』にステージの傍に展示してあったものなんです。車内に棚があって、車中泊も多少は出来るようにデザインしてあるキャノピーが実はもう出来上がっているんですよ。あとは僕がハイラックスを買うだけです（笑）。

UB：その時が来たら是非取材させてください（笑）。
K：もちろんです（笑）。

UB：『sotosotodays market』にも出展してましたが、良い交流はできましたか？
K：そうですね。あのイベントを通して知り合った方も多いですし、それとともにちょっとしたアウトドアの同窓会みたいな感じでもありましたね。ちょこちょこいろんなイベントに出展してバラバラに知り合った方たちが全員いるみたいな（笑）。朝イチは熱いお客さんたちがいましたけど、その後はゆるっとした良いイベントとなりましたね。

UB：U-BASE西湘2周年のイベントでコラボするとお聞きしましたが、どんな内容なのでしょうか？
K：イベントに出演するというよりはイベントのコンテンツのお手伝いとして参加させてもらいますね。僕が材料を革で作って現場のスタッフさんがネーム入れをするといった感じになると思います。そういったサービスをお客さんに振る舞うというイベントの協力をさせてもらう感じですね。

UB：今後の新商品や新たな展開のご予定はありますか？
K：まだ販売はしてないんですけどスツールが新しいプロダクトとしてありますね。6月中には販売を開始できると思います。

HABIT leather
桑原 康介
湘南を代表してみたい革職人。革小物はもちろん、キャンプ小物も作ります。
公式HP：HABIT leather
Instagram：@habit_leather