U-BASE Diary

U-VOICE Vol.12 FREEDOM GARAGE店長 西出元昭

アウトドアの“ガレージブランド”という言葉に聞き覚えのある方は多いと思う。厳密な定義こそないが、基本的には「ユーザー目線に立って上質な製品を生みだすブランド」を差す言葉だ。よって大量生産ではなくインディペンデントで、小規模のブランドであることが多い。生産数自体が少なく、痒いところに手が届く着眼点を理由に、人とは違うものを求める凝り性なユーザーたちから人気を集め、結果として多くのガレージブランドが現在のアウトドアシーンを席巻している。実際にU-VOICEにおいてもU-BASEで取り扱っている『ROOT CO.』や『Bootonation』など、いくつかのガレージブランドにインタビューを行い、ブランドの歴史や成り立ちを聞いてきた。人気ガレージブランドのメジャー化や、ガレージブランド同士のコラボレーションの増加によって、ガレージブランド・ムーブメントはますます人気が加速していくことだろう。今回のU-VOICEはそんなガレージブランドを集めた横浜(港北ニュータウン)のセレクトショップ『FREEDOM GARAGE』の店長・西出元昭氏にご協力いただいた。

『FREEDOM GARAGE』店内にはガレージブランドの魅力的で個性的な商品がズラリ

西出さんは『FREEDOM GARAGE』を始める前に、自身のガレージブランド『FREEDOM』を立ち上げている。さらにそれ以前には、長きにわたって音楽業界でバイヤーとして様々なレコードショップへ営業をかけていたのだそう。そういった様々な経験が具現化した『FREEDOM GARAGE』は、横浜の都筑区に2021年の11月にオープンした。自身を”めんどくさがり屋”と評価する西出さんだが、自身の情熱を注ぎ込んだこだわりの店内で受ける印象は全く違ったものだった。それは来店するお客さんへの愛情溢れる対応、ブランドとのリスペクトを欠かさない付き合い方、そしてギアや趣味への徹底したこだわりがひしひしと伝わってきたからだ。

ガレージブランド時代の商品

営業中となれば平日でも入れ替わるようにやってくるお客さんたちに、自らが出来る限り対応していく。店で取り扱う膨大なギアの数々、セレクトしたたくさんのブランドのアイテム1つ1つに対して、愛情とユーモアを込めた説明がもれなくついてくる。そんな西出さんの『FREEDOM GARAGE』がオープンからわずか一年あまりで、アウトドアというジャンルにおける人気セレクトショップの1つとなったのも納得である。今回のU-VOICEではその彼に、やっと静かになった閉店後の店内でお話を伺った。

この日もお一人で営業、閉店の後でお疲れの中インタビューさせていただきました

U-BASE編集部(以降、UB):『FREEDOM GARAGE』のコンセプトを教えていただけますか?
西出元昭(以降、N):他ではなかなか見ないようなガレージブランド(ユーザー目線で作られるインディペンデントな商品の総称)のアイテムを極力セレクトして販売しています。上級者過ぎず、初心者過ぎずというのがお店のコンセプトかなと思っています。あんまり敷居を高くしちゃうとお客さんが来なくなってしまうので、そのバランスは大事にしながら、はじめての人が来ても楽しめる品揃えにはしています。
 
UB:実際にお店に来てみると、とっても入りやすいお店です。
N:女性のお客様も多いので、入りやすい店内にしているつもりです。ガチガチのショールームみたいなお店もありますが、ウチはそういった雰囲気にはしたくなくて。新作の入荷数が多いので、いつ来ても楽しめるようにしています。

1階と中2階に分けられた広々とした店内

UB:西出さんにとってガレージブランドの魅力とは?
N:小ロットであることや一般の量販店などではなかなか買えないっていうのが魅力じゃないですかね。あとは、他の商品のカスタムに用いられるオプションパーツのようなものが多く、メジャーブランドにはない本当にピンポイントで欲しいパーツとかギアがあることもガレージブランドの魅力の一つだと思います。
 
UB:西出さんがもともとガレージブランドにハマったきっかけはなんだったのですか?
N:10年ぐらい前からキャンプにハマって。最初は初心者用のわかりやすいブランドを使っていましたが、とにかく自分が凝り性で、どうしてもその先に行きたくなるんですよね。6~7年ぐらい前なんですが、アウトドアのアイテムで「こういうのがあったら良いなあ」と思って探したんです。でも当時はこんなセレクトショップなんてないし、ネットで探してもマーケットも今ほど拡がっていなかったので苦労しました。それで、アウトドアのギアを集めたセレクトショップをやりたいなっと思ったんです。最初から目指していたのはガレージブランドではなく、ガレージブランドを集めたセレクトショップで、今思い出すとそこがスタートでしたね。ただ、セレクトショップを始めるのにはお金が結構必要なのに、当時はお金が借りれずにお店は出来なかった。じゃあ俺が一人でガレージブランドを始めようって自分のブランド『FREEDOM』を始めたんです。そして『FREEDOM』が起動に乗ったタイミングでブランドごと買ってくれる企業があって、売ったお金を元手にこの『FREEDOM GARAGE』を始めることが出来ました。今思うとあの時セレクトショップを始められていたら、めちゃくちゃ大きい店になっていたかもしれないね(笑)。

取材当日に入荷された【GARELLA ‘EKAHI WORKS】薪割りギア クサビは即日完売(現在は再入荷されてるとのこと)

UB:ブランドのセレクトに関して教えてください。
N:インターネットなどを使って他のお店が取り扱っていない、クオリティの高そうなブランドをいち早く見つけて直接連絡します。セレクトに関しては自分の目利き次第みたいなところはありますかね。
 
UB:結構大変そうですね。
N:そうですね。特にオープン前は実績がなかったので「取り扱わせてください!」って急に現れた何処の馬の骨かわからないような店の人の頼みなんて、受け入れてもらえるわけもなくて。断られたことも結構あるんですよ。だけど今では逆にオファーも頂けるようになったんで楽になりました。

寄木細工の三脚用ウッドサイドテーブル天板

UB:自分の目利きに関してのこだわりなどありますか?
N:まず個人的な趣味ですが、あんまりごちゃごちゃしたデザインが好きじゃないんです。だからシンプルなデザインのものを選んでいるつもりです。昔ビッグスクーターをカスタムして乗っていたんですが、そういうのもデザイン的にシンプルなものが好きでしたね。
 
UB:ビックスクーターにもこだわっていたのですか?
N:うん、凝り性なんでカスタムに総額200万円ぐらいかけたかな。シャコタンにしてました(笑)。でもとにかくデザインはシンプルなものが好きで、基本的に柄とかがごちゃごちゃしているのは嫌なんですよ。と言いながら色はすごかったかも(笑)。だから選ぶときも基本的にはシンプルで直線的なデザインが好きかな。柄とか派手なものっていずれ飽きてきちゃうじゃないですか。
 
UB:『FREEDOM GARAGE』の商品で店長のおすすめ商品はなんですか?
N:いろいろありますが…北海道のブランド『1/f SPACE』さんの焚き火台です。ブランド全ての商品が入荷即完売し、なかなか手に入らないくらい人気ですね。

【1/f SPACE】焚火台 KAGARI

UB:お客さんは来店とインターネット、どちらが多いですか?
N:実は通販をほとんどやってないんですよ。本当はやりたいけど、商品の入荷数が少ないので9割は来店するお客さん優先なんです。実はさっきも人気の商品をネットにあげたら転売屋と思われる人たちが買い占めてきたんで、電話して「1人2点までです」ってキャンセルしたんですよ。やっぱり来てくれた方の優先順位を高くしないと、本当のうちのお客さんがいなくなっちゃうじゃないですか。
 
UB:カッコいいですね。1年でこんなにお店の知名度が上がったきっかけはなんだと思いますか?
N:新作を常に入れることですね。他で見たことないものとか、とにかく面白いそうなものは、どんどん入荷してきました。でも最初の2ヶ月ぐらいはとにかくお客さん少なかった。3ヶ月経った年明けぐらいからかな、商品を増やし始めてからお客さんも増えていきました。オープン時の写真を今見るとスカスカで、よくこんなんでオープンしたなって思うよ。だからこそ、メーカーありきなんだよね。そういう理由で、メーカーさんには義理立ててやっています。お店の知名度が上がったきっかけは、いかに他では置いていない良い商品を発掘するかかな。今では他のお店がうちのセレクトを見てるぐらいだから。あとはなるべく来てくれた客には一言声をかけてる、なんとなくだけどね。

ミニチュア薪ストーブ(左)お香&蚊取り線香台 MOSQ(右)

UB:良いことですね。
N:俺を目当てに来てくれるお客さんも多いからね。お客さんが一杯いるときは一人なもんで無理だけど、そうじゃない時はきめ細かく対応しようと心掛けているしね。おかげさまで「店長が話しやすかったです」ってネットに口コミで書いてくれたお客さんがいたりしてさ。ありがたいよね。
 
UB:定休日はありますか?
N:いや、休みなく毎日営業しています(笑)。だけどパートさんがいるので、僕は月曜日に休ませてもらっています。大晦日も一応16時ぐらいまで営業しようと思っています。元旦はお休みで、二日から初売りです。
 
UB:車が好きとおっしゃいましたが、バンライフについてはいかがですか?
N:車もバイクも、乗り物はもともと好きですね。自分のブランドをやっていたときに、イベントもあったしハイエースを買ったんです。でも凝り性なので、またまたシャコタンにカスタムしちゃったみたいな(笑)。だから行けるキャンプ場が少なくて、ふもとっぱらしか行けてないんですけど(笑)。イベントの時に車中泊をしたけど、自分はアウトドアはテントの方が好きかな。

西出さんと話すこと目当てで来られるガレージブランドマニアの方も多い

UB:もし自分用にキャンピングカーを作るとなったらこだわりますか?
N:それはもちろんこだわりますね。でもそれを始めちゃったら大変なことになるな、もっとパートさんを雇わないといけなくなりますね(笑)。
 
UB:ご自身では今後商品化したいものはありますか?
N:1つ進行中のものがあるんですよ。アウトドアブランドはあんまり作っていないんだけど“BARマット”っていう、グラスが滑らないように置くゴム製のマットがあるんだけど。主にBARで見るものだけど、アウトドアでも需要があると思うのでうちのロゴの入ったものを作ろうと思っています。だけど主役はあくまでメーカーさんで、ウチはセレクトショップだからでしゃばりたくないんですよ(笑)。

【BROOKLYN WORKS】バーマット

UB:最後に、以前のブランドも『FREEDOM』でこの店も『FREEDOM GARAGE』ですが?
N:それつまらないんだけど、聞き間違えのない単語にしたかったの。あとは愛着があるんですよ、自分も自由人だったしね(笑)。

FREEDOM GARAGE
住所:〒224-0064 神奈川県横浜市都筑区平台1−28 1F
営業時間:【平日】13:00〜19:00 【土日祝】10:00〜18:00
定休日:1月1日
HP:オフィシャルHP
intstagram:@freedom_garage_official

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CampingOutdoor