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U-BASE DIARY

U-VOICE SEISHO Vol.06-ROOT CO. 代表 三尋木 準

今から1260年前、泰澄(たいちょう)大師の弟子”浄定坊(じょうじょうぼう)”が箱根湯本温泉を開いたことが始まりといわれるほど、長い歴史を持つ箱根湯本。現在では都心から近い温泉地として、関東一円だけでなく全国や外国からも客足の絶えない人気のリゾート地である。そんな箱根湯本にあるギアブランド『ROOT CO.』の代表三尋木準さんが今回のU-VOICEのゲストだ。
 
U-BASE SEISHOの店内でも取り扱っている『ROOT CO.』の商品はその洗練されたデザインと、ユーザーの視点を取り入れて商品開発することで備わる機能美が魅力である。東海道より一本中に入った静かな裏通りに、一年半前に完成したという『ROOT CO.』のオフィス兼ショールームは位置する(当日はスマートフォンの地図アプリの調子が悪く中々辿り着けなかった)。建物の壁一面にはいくつもの窓を配して自然光を取り入れる工夫がなされ、建物全体が光に暖かく包まれた気持ちのいい空間となっている。そんなショールームには商品や彼らの趣味に紐づくアイテムがいくつも綺麗に並べられている。『小川テント』や『grn』などのブランドのカタログ撮影用に貸し出されたオフィス前の庭は芝生と2種類の石でデザインされ、晴れた日にはタープやテントが張られ焚火をしながらくつろげるようになっている。このように、オフィス全体が『ROOT CO.』のプロダクトと同様にデザインと機能性が両立していて、何よりも”遊び心”に溢れている。そんなオフィスで働くスタッフたちも、それぞれアウトドアを楽しむ遊び仲間といった感じだ。また今回のインタビューでは割愛させてもらうが、『ROOT CO.』のロゴにもメッセージと遊び心が隠されている、気になる方は解読してみるのもいいだろう。
 
自身の創造性を発揮するためには、時には常識から脱却する必要がある。そのためには彼らのように”遊び心”をベースとした発想が求められる。なぜならいつの時代も”遊び”の中にこそ発見と学びがあるからである。しかし業務に忙殺されたり、属する組織が大きくなればなるほどに、私たちは毎日の中で”遊び心”を犠牲にしてしまう。『ROOT CO.』のスタッフは外注のデザイナーを含めて6名ほどの小さな会社だ。しかしそれぞれがしっかりとコンセプトを把握しながら”遊び心”を忘れないことで、『BRIEFING』や『GRIP SWANY』など、質の高さと機能美を売りにしているブランドとのコラボレーションを可能としているのかもしれない。今回は代表である三尋木さんにそんな『ROOT CO.』のルーツについてお聞きした。

U-BASE編集部(以下、UB):『ROOT CO.』を立ち上げたのはいつですか?
三尋木 準(以下、M):2016年の8月です。それ以前はストラップやスマートフォンケースなどの携帯アクセサリーを専門としていた小田原の『Hamee(旧ストラップヤ)』という会社で12年働いていました。
 
UB:独立するきっかけは何だったのですか?
M:前職ではプロダクトの製造から販売までのマネジメントを経験し最終的には取締役事業部長まで務めさせていただきました。会社も上場しスタッフも増員され後任も育ったタイミングで一定の役割を終えたと考えられたこともあり退任し独立をしました。『ROOT CO.』の起業については何せ業界未経験者なので、チャレンジの要素がとても強かったですね。ケースやバッテリー、ケーブルなどスマートフォンのアクセサリーを製造販売していたので、その経験を生かして、それらがアウトドアスペックのギアとなるために何かできることはないかと思ったことから始めました。

UB:もともとアウトドアに興味があったのですか?
M:昔からずっとやっていたというわけではなく、子供が産まれたタイミングで一緒に外で遊べるような趣味としてテントを買ったのがきっかけですね。今コロナ禍で密を避けることができるということがアウトドアブームの一因となっていますが、もともと自分もあんまり人が多いところが好きではないことや、自由気ままにというのが好きだという性格なのでハマったのだと思います。外で焚火をするだけで時間を忘れることができますし、若いときだったらわからなかったかもしれませんが、当時36歳の自分には趣味として長く付き合っていけるかなと思いました。

UB:『ROOT CO.』の商品のこだわりや魅力は?
M:ありきたりではありますが自分たちが欲しいと思うものですね。例えば特許申請中のヒット商品である『マグリール』ですが、発想自体は好きな釣りをしているときに「こういうの欲しいな」と思ったことから始まりました。それとうちのiPhoneケースにはカラビナ等を引っ掛けられるループが付いているので、それをどう活用できるかを考えて『マグリール』に活かしました。また弊社はアパレルラインもやっているので、iPhoneケースをぶら下げることができるデザインを取り入れていたりします。そのように、それぞれの商品の親和性が高く、使う人によって自分のスタイルに合わせられるというのが弊社の商品の魅力の一つですね。ただ携わっているのが男しかいないので、基本的にうちの商品は男性が愛用したくなるようなものばかりですが(笑)。

 
UB:商品はもちろんですが、ホームページ上のイメージ映像やストーリーもこだわりをもって作られているのを感じます。
M:ホームページやパッケージも含めて商品だと思っています。時間やお金をかけないこともできると思いますが、自分たちで商品をしっかりフィールドでテストし、それらを反映させたビジュアルを提供することで信頼にもつながると思ってやっています。それをinstagramやホームページで見て頂いて伝わっているのであれば、私たちとしては嬉しいです。

UB:『sotosotodays』とのコラボもありますね。西湘つながりですが、どういったご関係ですか?
M:客としては何度か行っていたのですが、最初の商品ができたときに「こういうことを始めました」と挨拶をしに営業に行き、お話を聞いて頂いたことから始まりました。
 
UB:最初の営業先ですか?
M:そうですね、アウトドアショップさんでは本当に最初の最初ですね。特にバイヤーである野毛さんには良くしてもらっています。野毛さんの商品知識やその経験値などバイヤーとしての能力は凄く、本当にリスペクトしていますね。キャンプも一緒に行ったこともありますし、仲良くさせてもらっています。新商品の意見をいただくようなアドバイザー的な面でもお付き合い頂いています。
 
UB:ご近所付き合いみたいな感じで良いですね。
M:そうですね。本当にご近所付き合いのようで、ふらっと来てここの庭で火を焚いてコーヒーを飲みながら商品の話を聞いて頂いています。何度かここの外にも泊まって頂いたこともありましたね。

UB:最近流行っているキャンピングカーがあるライフスタイル”バンライフ”に関してはいかがですか?
M:実はU-BASE SHONANが出来たときにToy Factoryの中古のハイエース・キャンピングカーを買わせていただきました。
 
UB:それはありがとうございます!バンライフはいかがですか?
M:かなり活用しています。僕は渓流釣りをやるのですが、一人で釣りメインのキャンプするときはキャンピングカーで行って、川の前に車を止めてタープだけ出して釣りに没頭するというのが自分流の使い方です。道志川に行ったり、この辺であれば世附川や酒匂川に行ったり、芦ノ湖ではバス釣りもやるし、最近では北海道に毎年行っています。朝によく釣れるので僕の場合キャンピングカーはテントなどの設営時間を削って釣りをやるためのものですね(笑)。車を停めて朝起きたら目の前が川ですから。焚火しながらちょっと休憩して、午後もう1ラウンドやって帰る。撤収も楽ですから。このスタイルがかなり自分にはしっくりきています。

UB:それでは最後にお客様、読者に一言ありますか?
M:ここの庭に、来年の春オープンを目指して直営店を建設しようとしています。そこで軽食を出して、今日のように晴れた日は庭にタープを張って焚火の体験をしていただいて、弊社の商品がフルラインナップで見て買えるという、そんなことを今計画しています。今はこういうひっそりとした場所で孤立しているような状態ですけど(笑)、完成したらブランド同士やお客さんとの交流が生まれ、人の流れができると思います。そうしたら表通りに看板を立てますから、ここに来るのにもう二度と迷わないようになりますね(笑)。

お問い合わせ先
ROOT CO.
HP:https://root-co.net/