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U-BASE DIARY

U-VOICE SEISHO Vol.02-北村公男

  U-BASE SEISHOでは、地元・小田原のアウトドア専門店『sotosotodays』とコラボレーションしたグッズが話題を集めている。また、晴れた日にはダイナシティ内の店舗前広場でトイファクトリーとU-BASEの共に手掛けたキャンピングカーがお披露目されていて、こちらも大好評のようだ。このように数年前からブームとなったアウトドアのなかでも、人々が新たな社会の在り方を模索し始めた今日、オートキャンプはさらなる注目を集めている。とはいえコロナ禍によって旅のカタチは変わったといっても、キャンピングカーの存在は未だに身近とは呼べず、「周りに聞ける人がいないから興味の枠を出ない」というのが多くの人の実状だ。
 
 U-VOICE第2回目となるゲストは北村公男さん。北村さんは西湘地区の大井町出身で、今でも生まれ故郷に住み続ける74歳のキャンピングカーオーナーである。話を伺ってみると北村さんはDIYが好きで、自分で勉強してなんでも作ってしまうという。現在は畑もやっていて、冬になれば薪ストーブで暖を取るなど、自給自足のような生活をしているそうだ。北村さんが某大手バス会社でサラリーマンをしていた頃には英語を勉強し直し、海外出張のほとんどを任され、若い頃から旅は外国も含め沢山行ったという。また還暦を迎えたころには、週末の休みを使い折り畳み自転車で日本橋から京都の三条大橋までを走破したり…など、北村さんのエピソードはとてもじゃないが今回のインタビューには掲載しきれない。そんな尽きることのないエピソードこそ何よりも彼が人生を謳歌していることの表れであり、遊びの達人を目指すU-BASEのコンセプトと見事に合致した人だといえる。引退を見据え61歳でキャンピンカーを購入した彼に、キャンピングカーのあるライフスタイル”バンライフ”についていろいろ聞いてみた。

U-BASE編集部(以下、UB):キャンピングカー歴を教えてください。
北村公男(以下、K):2009年、61歳のときにクライスラー社のロードトレックの中古を買いました。翌年の2010年にシボレー社のロードトレックの新車を買い、それで2013年に今乗っているフルサイズのデスレフ社のグローブフォーに変えたんです。
 
UB:キャンピングカーに興味を持つきっかけはなんだったのですか?
K:サラリーマン生活がものすごく忙しくて、前もって予定して休暇を申し込んで取るなんて全くできなかったんです。でもその頃から、日本だけではなくいろんなところに旅行しました。そういうなかで全部スケジュール通りに動くというような旅行は嫌というほどしたので(笑)、本当は自分で好きなように思い立ったらすぐに出かける旅がしたかったので、現役時代からキャンピングカーに憧れがありました。
 
UB:購入に至った経緯は?
K:当時40代の頃はトヨタのタウンエースを乗っていたんです。それで50代になってハイエースに乗り、それでいよいよ還暦も過ぎ、引退が見えてきたので念願のキャンピングカーを買ったのです。ただ、初めて買いますからね。車がもともと好きで家にはセダンもありますから、買って乗らなくなるのはもったいないなと思って、それで試しに中古を買ったんです。そしたらとにかく便利で、セダンはほとんど乗らなくなってしまいました。

UB:ではそれ以降の旅行はほとんどキャンピングカーで行かれたのですか?
K:そうですね、どこに行くにも。コロナ禍以前からもともと電車に乗るってことはほとんどしてないですね。

UB:しかし購入を決めるまでに誰かキャンピングカーに詳しい方が周りにいたのですか?
K:いや、本を読んで自分で調べましたね。それである程度の予備知識を勉強してから、ディーラーを何件か見て回りましたね。私は何をやるにつけても、例えば家庭菜園をやるにしても、読書が趣味ですからとりあえず自分で勉強してからやるんですよ。それとサラリーマン人生の後半に、本業のバスの担当役員になりまして。バス事業というのは将来性のない事業だと言われていましたが、それでもなんとかしなければいけなかったのです。国交相とも色々な話をして、海外にある連接バスの導入を目指したんです。それまでには日本でつくば万博のシャトルバスと、幕張で走ったことがあるんですが、一般運行用に連接バスを入れたのはウチらが日本で初めてでした。ドイツのバスの車体は車幅が2m55cmあるんです、日本の規格は2m50cmですから。それの特任を取るのが国交相なんですけど、非常に難しくてね。色々な障害あったんですがなんとか成功させてね。あのバスを一台入れると、普通のバスが2,3台いらなくなるんです。それ以降”1分ヘッド”と言われる、1分おきにバスを出しても乗り切れない場所に導入されていますが、道路の環境によってどこにでも導入できるわけではないんですよ。朝のピーク時は普通のバスを何台入れても足りないんですよ。渋滞の原因がバスで道が混んでしまったら社会的にも評判が良くないですしね。そのときにね、何回もドイツにいきました。そういった経験もキャンピングカーを購入するときに役に立ちましたね。

UB:キャンピングカーで今までに行った場所をお聞かせください?
K:北海道へ2回(2013年、2016年)と四国のお遍路さん巡り(2014、2015、2017年)と小豆島から高野山(2017年)、それと去年は九州に行ってきました。その旅から帰ってきたらちょうどコロナが武漢でっていう話になっていて。まあ今はコロナ禍ですが、2泊ぐらいの旅行は行けるタイミングにはしょっちゅう行っていますよ。キャンピングカーでね。
 
UB:1泊だけ旅館とかに泊まるようなスケジュールにはしないのですね?
K:旅館とかにはもう一切泊まらないですね。
 
UB:主に一人旅ですか?
K:これは全て家内と犬と一緒に行っています。1回目の北海道旅行は娘も一緒でしたけど。
 
UB:奥様も問題ないのですか?
K:そうですね。それぐらい快適ですからね。

UB:今も新車をオーダー中なのですね?
K:なぜ次に買い替えようと思っているかというと、それは内装とかの不満ではなく、車のサイズです。要するに外車のフルサイズは日本の道路の規格に合ってないんですよ。だから京都とか博多や札幌とかの都市部に行くと、駐車できる場所がないんです。この車の車幅は2m35cmあるんですけど、日本の大型車両が2m50ですから15cmしか変わらないわけです。今はまだ運転は大丈夫ですが、私も歳をとってきてますから、もう家内に言わせると小さいのにして、と言われます。
このコロナ禍で日本でもキャンピングカーブームとなっていますが、ヨーロッパはもっとブームが凄いんです。そして、そのマーケットはほとんどが左ハンドルです、日本と同じ右ハンドルは英連邦の国がそのほとんどですが、作る側からすると右ハンドルは面倒なわけですよ。要は左ハンドルの注文も作りきれていないのにそんなにややこしいの作ってられないよ、と。だから現在は日本に回ってこないのです。
 
UB:日本は道も狭いところが沢山ありますもんね。
K:四国のお遍路さんなんて、とても道の狭いところが多くて大変でしたね。
 
UB:四国のお遍路さんは2014年、2015年、2017年の計3回で行かれていますね。
K:これもサラリーマン時代です。毎回5月のゴールデンウィークに行ったので一回の旅が7泊8日ぐらいでしたね。

UB:結局引退されたのはいくつですか?
K:69歳です。

UB:というこはこの期間はほとんど現役中ということですよね(笑)?
K:そうですね(笑)。60代になってある程度時間の余裕が生まれたので行けることができました。

UB:ちなみにこの旅行中にホテルには?
K:もちろん泊まりません。四国までも自走で行ってますしね。この車は運転がもの凄く楽なんです。視点が高く、馬力もあって登坂車線に入る必要がありません。それに運転に疲れて眠くなったら途中で足を伸ばして寝ることも出来ますからね。

UB:燃費やライフラインはどのくらい持つのですか?
K:この車は約4tあります。それに風呂桶一杯分の水やガスいろんなものを積んでいますから、重さは相当のものです。それで燃費はだいたい10kmです。それとこれはソーラーパネルを2枚積んでいますから、電気の供給は全く問題ないです。水は130ℓ積めます。130ℓというと普通のお風呂が200ℓで、お湯を入れるのが150~160ℓだと思うので、湯船の水の量とほぼ一緒ですね。それでウチら夫婦二人で最低でも一週間に一回、キャンプ場に泊まれればライフラインは持ちますね。キャンプ場では給水も排水もできますから。
 
UB:印象に残っている旅はありますか?
K:四国ももちろんですが、一番印象に残ってるのは北海道ですね。北海道はキャンプ場が至る所にありますから、キャンピングカーが全国から集まるんです。それで皆さん長い方は3ヶ月ぐらいいるんですね。私はそんなに時間が取れないので10日ぐらいしか行ってないですけど。

UB:オートキャンプやキャンピングカーに興味を持っている人にアドバイスをお願いします。
K:キャンピングカーはシェルターとしても非常に強力なものとなります。それは何もこんなに大きい外車のものでなくとも車の中でプライバシーを保ち、足を伸ばして眠れるというのは災害時などを考えれば大きいかなと思います。それとコロナ禍では密を避けなければいけないというのももちろんありますしね。それと日本の住宅事情もあってお父さんが書斎を持てなくなっていますけど、そういった役割を持たせても優秀です。自分の趣味は読書と絵を描くこと、あと昔は釣りもよくやっていました。だからそういうセットをいつも積んであります。登山も好きですし、だから登山道具やアウトドア用品も一式積んでいますね。

UB:新しい旅のお考えはありますか?
K:北海道にはもう一度行こうと思っていますね。あと去年行った九州は北半分しか回ってこなかったので南半分を達成したいですね。
 
UB:北村さんにとってキャンピングカーの最大の魅力はなんですか?
K:要するに、ほとんど何も決めないで行ける旅。とくに知らないところに行って、現地で地元の人が行くような居酒屋でね。本当にいい店ってのがあるんです。それを現地でリサーチして、道の駅に車を止めてタクシーで店に行ったり、田舎だとそのまま朝まで車を止めてって良いよと店の人が言ってくれますからね。だから良い店を全国色々知っていますよ。
 
UB:最初は疑心暗鬼であったキャンピングカーは、購入して大正解だったということですか?
K:はい、もちろん大正解だと思っていますね。私も今年74歳になりますけど、やってよかった趣味は本当にキャンピングカー、これですね。